歯科医療カウンセリングとは?
医師を含め、多くの人々は科学的根拠に基づく医療Evidenced Based Medicine)が最も望ましい医療のあり方であると考えています。客観的データに基づいて、より確かな予知性のもとに治療を行うことは、患者に大きな利益をもたらすことになるでしょう。

しかしながら、この概念の一番重要なポイントは、医師が客観的データを目の前の患者に対して、どう適用していくかということなのです。
EBMの定義は「最新かつ最良の根拠を良心的に正しく明瞭に用いて、個々の患者のケアについての決定をすること」と されていますが、多くの医師の間ではEBMとは「客観的データに基づいて診断や治療を行う事である」という誤解があり、一方的に患者に客観的データを示す ことのみが、臨床において行われています。客観的データはあくまでも、病気という現象の一部分をあらわしているにすぎませんが、患者の思い、気持ち、感情 などの主観的な要素をできるだけ排し、客観的情報のみによって診断、治療方針決定することがEBMの実践であると誤解している医師が多いのです。

しかしながら、実際の臨床の場においては、病があると感じ、医師の目の前に座っている患者は、主観そのものであり、そこに客観性を重んじる科学的診断と治療を適用しようとすると、ギャップを生ずることになります。

私自身が生まれて初めて全身麻酔を受けることになったとき、とても不安な気持ちになりました。このまま永遠に目がさめなかったらどうしようなどという考えが頭をよぎるのです。麻酔科の医師が全身麻酔のリスクについて、入院病棟の医師が手術とそのリスクについてひととおりの説明をした後、同意書にサインを求められました。全身麻酔についての不安な気持ちを話したところ、笑いながら、「もちろん局所麻酔でもできますが、全身麻酔のほうが楽ですよ。」と医師は言いました。これが本当に生死に関わる病気であれば、医師の対応の仕方も少しは違ったかもしれませんが、第3者である医師が、当事者である 患者の思いをきちんと聴き、受け止めることはとても難しいことであることを、実感しました。

これまで、大学などの臨床教育の場では、病気を診断し治療するための教育は行われてきましたが、患者の語る物語を傾聴し、尊重し、解釈する技術についてはほとんど教育されてきませんでした。ここ数年この必要性が見直され、医科や歯科大学でも模擬患者による訓練が取り入れられるようになりました。

引用元:読売新聞
患者の心 思いやる経験 

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20060323ik01.htm


大学編 変わる授業<88>模擬患者で対人能力磨く

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/kikaku/020/89.htm



患者の話を聴く技術は、まさにカウンセリングの技法そのものであり、これからの医療においては、今までのような医師が診断をするための問診ではなく、患者を理解し、適切な医療援助を行うための医療カウンセリングが必要になると思われます。

このようなことから、私は2002年4月から上智大学カウンセリング研究所においてカウンセリングについて学び、2006年3月に研修を終え、上智大学カウンセリング研究所認定カウンセラーの資格を得ました。

*上智大学カウンセリング研究所

http://www.sophia.ac.jp/J/research.nsf/Content/kaukgbr04.jpg


Photo by ミントBlue

 
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