2017年10月23日
アルマは1日にしてならず
台風接近の雨の中、三鷹ネットワーク大学で月に1回行われている国立天文台企画サロンの132回アストロノミー パブに参加してきた。
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講師の長谷川 哲夫先生はアルマプロジェクトの総責任者として、2016年まで国立天文台チリ観測所初代所長を務めた方です。現在は国立天文台 上席教授をされています。

お話の内容は、天文の世界では、より遠くを観測できることが、新たな発見を呼ぶため、世界の天文学者はより解像度の良い望遠鏡を欲しているが、通常の望遠鏡では大きさに限界がある。
そこで、次世代の望遠鏡として期待されているのが、電波望遠鏡だが、これは複数の望遠鏡の観測データを組み合わせて、電波干渉計で処理をして、あたかも一つの巨大な口径の仮想望遠鏡として従来では不可能だったより大口径の望遠鏡を開発することになった。
この構想は1980年代に日本だけでなく、アメリカ、欧州でもありましたが、数百億円規模の巨額の費用と高い技術力が必要とされるため、2001年に国際共同プロジェクトとして日欧米で協力し合ってより良い物を作ろうということになりました。
しかしながら日本チームは国内の予算承認の遅れから建設参加が2年遅れ、共同プロジェクトからはずされる危機に陥ります。そこの崖っぷちに踏みとどまり、欧米との信頼関係の回復に努め、なんとか2004年に予算承認にこぎつけ、その後も日本の技術レベルをあげつづけて、アルマに最も早く電波望遠鏡を完成させます。それによってようやく欧米と対等な関係を作り上げることが出来て、2013年の本格運用開始に漕ぎ着けたのです。
出来上がった望遠鏡は、人間で言ったら視力2000。東京から大阪にある野球ボールを見ることが出来る能力になります。
アルマ望遠鏡の正式名称はアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)です。

アルマ望遠鏡でどんなことがわかるのかは、国立天文台のこちらのページをご覧下さい。

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上の写真はアルマの電波望遠鏡群
右は魚座のフォーマルハウトの映像
下はアルマ望遠鏡が完成したら、どのような映像が得られて、研究成果が出るかを文科省に説明するために作られた画像
その左が実際に撮られた牡牛座HL星の周囲に惑星系が生まれつつある画像
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講義のあとは、講師や参加者同士と自由に対話を楽しむ立食形式の「パブタイム」が用意されていた。そこで長谷川先生から伺ったお話で、一番記憶に残ったのは上の左の写真のように理論的に計算して、コンピューターシュミレーションで想像される画像を作り出すことは出来るが、右側の実物はそれよりもはるかに美しく、人知の及ばない自然の奥深さを感じるという言葉でした。
気さくに質問にも答えて下さり、短い時間でしたが、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
201710230030489410.jpg  長谷川先生と

 
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