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これは非常にやっかいな疾患で、歯根破折をおこしてしまうと、抜歯か、破折部分を接着する一時的な対症療法、もしくは経過観察以外に治療方法がありません。 ゆえに歯根破折をいかに防ぐかということが、我々歯科医にとっても大きな問題となっていました。 通常、歯根破折は、生活歯よりも圧倒的に失活歯に多く、その比率は約10:1となっています。その理由として、これまでの研究から2つの事が明らかになりました。 一つは、「失活歯は生活歯の2.5倍以上の力が加わらないとそれを知覚できない」ということです。この事は生活歯よりも失活歯には強い咬合力の負荷がかかることを意味し、特に咬合力の強い男性や、歯ぎしり・くいしばりなどの咀嚼筋機能異常のある患者さんの場合に大きな問題となります。歯根破折の既往があり、歯ぎしり・くいしばりなどの咀嚼筋機能異常のある患者さんの場合はスプリントを夜間装着してもらう方が安全です。 もう一つの理由としては、失活歯の場合は歯冠が崩壊していることが多いため、コアと呼ばれる土台を入れることになりますが(左図)、これが歯根破折の原因になっていることがあげられます。すなわち、強度の問題からコアは金属で作られることが多いのですが、歯質に比べて金属はきわめて硬いため、咬合力が加わったときに、コア材がくさびの役目を果たし、歯根の破折を引き起こすのです。 これを防止するために、金属にかわるコア材として開発されたのが、グラスファイバーから作られたファイバーコアポストです。ファイバーコアポストの弾性係数は、従来の金属製ポストに比べ象牙質に近似しており、歯のたわみに応じて屈曲しながら応力を分散するため、歯への負担を大幅に軽減するものとなっています。![]() ファイバーコアポストの弾性係数は金属製ポストやジルコニアポストに比べてはるかに象牙質に近似しています。歯牙に応力が加わった場合、ファイバーコアポストは歯のたわみと同様に屈曲し応力開放を助けます。 データ提供:Dr. John M. Powers このほかにもファイバーコアポストの利点としては、再度根管治療が必要になった場合でも、メタルコアに比べて、はるかに除去が容易であることがあげられます。このようなことから、現在私たちの歯科医院ではメタルコアの代わりにファイバーコアポストをコア材として使用しています。 by 医療法人社団 とかじ歯科
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