感染根管治療症例
初診時口腔内

47歳の男性。左上前歯部の歯ぐきが年末に腫れてきて、夜間激烈な痛みのため眠れなかった。
休日診療所にて、右上側切歯の根管治療と抗生剤の投薬処置を受け、年明けの6日に来院。
現在も痛みがあり、前歯では物がかめない。上顎正中部歯肉に発赤腫脹が認められる。

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初診時レントゲン写真

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左上中、側切歯、右上第2小臼歯、第一大臼歯根尖部にそれぞれレントゲン透過像が認められる。前歯部の透過像は大きく急性の炎症により、骨の破壊が広範囲に起こったことがわかる。
ラバーダム防湿下にて、根管治療を側切歯より開始する。今まで歯科医院で根の治療をしてきたが、ラバーダムをしたのは今回が初めてということであった。ラバーダムの重要性と、それをしなかったために、根尖病変が出来ていること、今後、他のところの根尖病変も急性化すれば、同様の痛みを生じる可能性のあることを、お話しした。
患者さんは今回のような痛みを経験するのは、避けたいということで、全ての根尖病変の歯の再治療を希望された。右上第2小臼歯は歯根破折による病変であることが判明、抜歯となったため、上顎は大がかりな補綴治療が必要となり、1年がかりで、全顎的な治療を行った。

治療終了時口腔内

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治療終了時レントゲン写真

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いずれの根尖病変も治療後の経過は良好。ラバーダムをきちんとやって、感染のコントロールを行えば、通常2-3回の根管治療で治癒する。レントゲン像上での骨の改善が認められるには、半年から1年必要だが、治療自体は1ヶ月ぐらいで終わる。

左上前歯部の根尖病変の変化

   左から順に 2006.1.6. / 2006.1.21.  / 2006.2.3. のレントゲン写真
H.Y.Dental.before.jpgH.Y.Dental.treat.jpg H.Y.Dental.treat2.jpg

        2007.2.10.
H.Y.Dental.after.jpg上顎左上中、側切歯の根尖病変は根管治療後約1ヶ月ほどで消失している。これは病巣が急性のものであったため、同病巣部においてはCaの消失のみがおこっており、コラーゲンなどの有機質である骨基質の部分は破壊されていなかったため、感染の除去によりCaの再沈着がおこり。短期間で骨が再生したように見えるものと考えられる。
1年後の検診時のレントゲン像では、中切歯の根尖部にわずかに透過像が認められるが、透過像が根尖を中心としたものではないため、これは瘢痕組織と考えられる。
根管治療後の土台には歯根破折の問題、および再根管治療の可能性を考慮して、全てファイバーコアポストを使用している。